「お母さん、これからのこと、一緒に考えよう!」

前回のブログを書いていたとき
以前関わらせてもらった、お嬢さんとの話を思い出しました。
当時はお父さんは3年前に他界。
75歳の母、別世帯で兄55歳と妹50歳
兄も妹もそれぞれ家庭もあり、
実家の母のところには
何か用事があって立ち寄る程度でした。

「まだ大丈夫」の裏にあるサイン ~久しぶりの帰省で感じたこと~

皆さんの中で、
久しぶりに実家へ帰ったら、
ちょっとした違和感を
感じた事ありませんか?

このお嬢さんはお母さんと月に2回ほど
LINEでやりとりをしていました。
お母さんは「特に変わりないよ」と
いつも通りの返事だから、特には気にはしていませんでした。

でも、久しぶりに実家へ帰った時、
なんとなく気になることが
いくつかあったそうです。

「まだ大丈夫よ」…でも、いつもと違う実家の風景

お母さんは75歳。
お父さんが他界してからは、
田舎の家で一人暮らしを続けている。

年金暮らしだけど、
父が残した現金もあるし、
畑仕事をしながらのんびり暮らしている。

「雪が降ると、さすがに大変ね。最近は寒くて、お風呂に入るのもちょっとしんどくなってきたわ」

そう言いながら、
お母さんは笑っていたそうです。

でも、お嬢さんが何気なく見た
キッチンのシンクには洗い物が
溜まっていて、床の隅にはいつもは
見かけないホコリが。

几帳面な母にしては珍しいと
思ったけど、お母さんは
「まだ大丈夫」だと・・・。

本当にそうなのかな?

兄は「心配しすぎじゃない?」

久しぶりに兄と電話で話すと
「おふくろ、まだ元気なんだから、そんなに心配しなくてもいいんじゃない?」
そんな言葉が返ってきた。

兄は実家の近くに住んでいるけれど、
仕事が忙しく、普段から母の様子を
見に行くことはほとんどない。
「今は問題なく暮らしてるんだから、
わざわざ大げさに考えなくても…」

お嬢さんは「確かに」
お母さんは、まだ自分で買い物に行けるし、料理もしている。

でも、お風呂に入るのが
しんどくなってきたと言っていたし、
雪かきだって大変になってきている。

「問題が起きてからじゃ遅いんじゃない?」かと。

お嬢さんはそう思うと、モヤモヤした気持ちばかり思ってしまうと言っていました。

「お母さん、少しでも楽になる方法を考えようよ」

「大丈夫」
母の口癖のようになっているその言葉。

でも、「大丈夫」って、
本当に大丈夫なときだけじゃなくて、
誰かに気を遣って言うこともあります。

私はお嬢さんに
こういう話はどうでしょうかと
提案しました。

「週に1回でも、お掃除を手伝ってくれる人をお願いしたらどうか」

「買い物も、一緒に行くのが大変になってきたら、生協(宅配)を頼んでみるのもアリじゃないか」

お嬢さんはこの通りの話をしてみて
最初は「そんなの、まだいいわよ」と
笑っていたお母さん。

でも、「無理して体を壊したら、その方が大変じゃない?」と切実に話すと、

「そっか・・・〇〇が言ってくれると確かに、最近ちょっとしんどいなって思うことが増えたかも」
少し考え込んだそうです。

今だからこそ、一緒に考えておきたいこと

今はまだ、お母さんは元気に暮らしています。

でも、「もう少し早く準備しておけばよかった」と後悔するのは、
何かあってからじゃ遅い。

  • 今の生活で、負担になっていることはないか?
  • 家族で手伝えることは何か?
  • 介護サービスや支援を早めに調べておくことはできないか?

お嬢さんが想う、
お母さんがこの家で、安心して暮らし続けるために。

「今のうちに、できることを一緒に考えよう」

このご家庭は一気にはできないけど、少しづつ準備を進めています。

あなたの大切な家族は、本当に「まだ大丈夫」ですか?

「うちの親も、同じような状況かも…」

もしそう思ったら、少しだけ立ち止まって、家族の今と未来を考えてみませんか?

小さな一歩が、大きな安心につながるはずだと思います。

この記事を書いた人

コラン相続コンサルタント事務所 坂本俊一