親の大事な書類の場所を知るために

ご両親の通帳や大切な書類が、どこにしまってあるのかご存じですか?

お父さんやお母さんが元気なうちは、お金や書類の話はなかなか切り出しにくいものです。

「縁起でもない」と言われそうですし、「まだ先の話だから」と後回しにしてしまう気持ちも、よくわかります。

## 書類の場所がわからないと、家族にどんな負担がかかるのか

ご両親に万が一のことがあったとき、まず困りやすいのが、何がどこにあるのかわからないことだと言われています。

たとえば、次のようなものです。

– 銀行の通帳やキャッシュカード

– 保険の証券

– 不動産の権利書

– 契約書や印鑑

どれも、ご両親の頭の中にだけ場所が入っているというご家庭は、決して少なくないのではないでしょうか。

探し始めると、思った以上に時間がかかります。

財産の状況をつかむまでに、数週間から1ヶ月ほどかかるケースもあるようです。

やっと財産の状況がまとまったと思ったら、思いもよらない場所から別の通帳が出てきた、というケースもあるようです。

今さら出てきても、これまでの整理をまた最初からやり直さなければなりません。

探す手間だけでなく、「あれだけ頑張ったのに」という疲れも、家族に重くのしかかります。

兄弟姉妹の間で、「聞いていなかった」「私も知らなかった」と言い合ってしまえば、家族の空気も少しずつ重くなっていくかもしれません。

でも、親にそんなこと聞けない。

ですよね。お気持ちはわかります。

「財産を狙っていると思われないかな」「機嫌を悪くされたらどうしよう」と、心配になりますよね。

その不安は、とても自然なものだと思います。

実は、お父さんやお母さんの側も、「いつか話さなければ」と思いながら、切り出すきっかけを探していることがあるようです。

お互いに気を遣って黙っているうちに、時間だけが過ぎてしまうのは、とてももったいないことです。

では、どんな切り口なら話しやすいでしょうか。

おすすめしたいのは、お金の中身ではなく、「場所」を聞くことです。

– 大事な書類は、どこにしまってあるのか

– 困ったときに、頼りにしている人は誰なのか

– これからどうしておきたいか

金額や細かい内容までは聞かなくてかまいません。

「何かあったとき、私が慌てないようにしておきたいの」と、ご自身の気持ちとして伝えてみてはいかがでしょうか。

ご両親を心配する気持ちから出た言葉だとわかれば、案外すんなり話してくれるかもしれません。

もしも、ご両親が帰省のたびに「そのうちね」と笑って流されるなら、無理に押し切らなくても大丈夫です。

一度で全部を決めようとせず、お茶を飲みながら少しずつ、の感覚がちょうどいいです。

兄弟姉妹がいる場合は、聞いた内容を家族みんなで共有しておくと、あとで食い違いが起きにくくなると思います。

誰か一人が抱え込まず、みんなで同じ情報を持っておくことが、後で、慌てないコツです。

ご両親の大切なものがどこにあるのかを知ることは、財産を知ることというより、ご両親の暮らしを知ることなのかもしれません。

ご家族の顔を思い浮かべながら、最初のひと言を一緒に考えるところから始めてみませんか。

この記事を書いた人

コラン相続コンサルタント事務所 坂本俊一