コラン相続コンサルタント事務所 坂本俊一 
親の元気な声の裏で
「親父も母さんも、まだまだ元気だから大丈夫。」
そう思いながらも、心のどこかで
「もしも」のときの不安を感じていた
Aさん（58歳）。東京で家族と暮らしながら、富山の実家に住む両親は高齢で気がかりになる時でした。
ある日、親父からの電話で
「最近、膝が痛くてなかなか畑に出られないんだよ」と、いつもの愚痴混じりの声が聞こえました。
そのときは「病院行ったら？」と軽く返しただけでしたが、妙に胸に引っかかっていたAさん。
それから数か月後、親父が足を骨折。
畑仕事も家事もできない親父に代わり、
母親がすべてを背負うことに。
母親も高齢で負担が大きくなるばかり。
「やがて二人とも介護が必要になるのではないか」そんな不安がAさんの中で膨らんでいきました。
「相続対策は済んでいるはず…だけど？」
実はAさん、数年前に親父と話し合いながら、相続対策を進めていました。
不動産や預貯金の分け方を決め、遺言書も整備済み。
これで一安心だと思っていた矢先に、親父の骨折が引き金となり、状況が一変します。
親父の入院費用やリハビリ代、母親の生活費が不足しているのでは？
残される予定の預金は不動産の処分費用と決めていた。
今までの相続の対策には、介護費用のことがほとんど含まれていなかったのです。
さらに、両親が判断能力を失った場合の対策もやらないままの状態。
遺言書まで作ったから良し
としたそんな相続計画でした。
「相続の準備は万全だったはずなのに、介護のことを考えていなかったばかりに、こんなに大変になるとは思わなかった・・・」
Aさんの言葉には後悔の念が滲んでいました。
「相続と介護を一緒に考える意味」
Aさんのようなケースは決して珍しくありません。
相続対策を進めていても、親御さんが老後にどのような生活を送るか望んでいるか、介護が必要になった場合のリスクを考慮していないと、次のような困り事が起こり得ます：
介護費用の不足
入院や施設利用の費用は予想以上にかかることが多いです。
後見制度の準備不足から制度を活用すると財産管理や手続きがAさんにとって面倒な一面も
親が判断能力を失うと、後見人を立てる必要があり、家族だけで管理するのが難しくなるケースがあります。
家族間の負担の平等、公平間のバランス
兄弟姉妹間で介護の役割分担が曖昧だと、費用の負担が関わっている側とのトラブルが生じることもあります。
「同時に考えることで得られるメリット」
相続と介護を同時に考えることで、次のようなメリットがあります
相続対策の見直し
相続財産の一部を介護費用として確保しておくことで、将来的な出費に備えられます。
- 家族間の話し合いがスムーズに
介護と相続の両方を見据えた計画を立てることで、万が一の時、家族全員が納得感を持ちやすくなります。 - 親の望む生活を守れる
事前に準備することで、親御さんが望む生活を続けられる環境を整えることができます。
「まだ間に合う、未来のために、今できること」
まだ間に合うこの時点で、相続コンサルタントのサポートとしてできることは、介護と相続を統合的に見直すことです。
- 介護費用と生活費の計画を立て直し経済的な不安を軽減。
- 止まっていた後見制度の契約を結ぶことで、必要となった時の両親の財産管理をスムーズに進める準備。
- 家族会議を開き、兄弟間での費用と現地での負担を分担する具体的な話し合いを実施。
- 遺言書を見直す視野も入れながら、Aさんに変わって生活環境の変化に応じた継続的なサポートや見守りサポートの提案。
「まずは話すことから始めませんか？」
相続と介護は、家族にとって切り離せないテーマです。
一緒に考えることで、家族みんなが安心して未来を迎える準備ができます。
もし、「うちの場合はどうすればいいの？」と思われたら、ぜひお気軽にご相談ください。
家族の未来を守るお手伝いを全力でサポートします！