何も困っていない人が考えた「10年後」

先日、ある方からセミナーの申し込みをいただきました。60代の女性の方です。

電話で少しお話をさせていただき
子どもは二人。
すでに社会人として独立しています。
ご主人とは離婚されているそうですが、
親子関係は良好。
仕事も順調
友人関係にも恵まれている。

お話を聞いていると、
特に困っていることは見当たりませんでした。
それでも、その方はこう言いました。

「子どもたちには迷惑をかけていないと思うんです。でも、この先どうしたらいいのか、一度聞いてみたくて」

私はその言葉を聞いて、少し驚きました。
というのも、こうした話は多くの場合、
何かが起きてから考え始めるものだからです。

体調を崩したとき。
家族の状況が変わったとき。
周りで同じような出来事が起きたとき。

そのとき初めて、「どうしたらいいんだろう」と考え始めることが多いのです。

だからこそ今回の申し込みは、とても印象に残りました。

特別な問題があるわけではない。
それでも、未来のことを少し想像している。
もしかすると、この方はこんな場面を思い浮かべたのかもしれません。

10年後。
70歳になった自分。
仕事は少しペースを落としているかもしれない。
でも、まだ元気に毎日を過ごしている。
友人と会ったり、子どもたちと連絡を取り合ったり。
そんな日常の中で、
ある日ふと体調を崩して数日入院する。
決して大きな出来事ではありません。

けれど、そのとき家族は少し戸惑うかもしれません。
誰に連絡すればいいのだろう。
何を確認すればいいのだろう。
どこまで判断していいのだろう。

大きな問題が浮上していないが
小さな疑問がいくつも浮かんできます。
そしてその場で考えながら進んでいくことになります。

おそらく多くのご家庭で自然に起きていることかな。
ただ一つ違うのは、
その出来事を「いつ想像するか」です。

実際に起きてから考えるのか。
それとも、少しだけ先に想像してみるのか。

今回お申し込みくださった方は、
きっと後者だったのだと思います。

今、何か困っているわけではない。
でも、これからの時間を考えたときに
「一度、聞いてみたい」そう思った。

繰り返しになりますが
お相手のその言葉を聞いたときとても印象に残りました。

なぜなら、多くの人が動き出すのは
「困ってから」だからです。

けれど本当は、
未来を想像できた人から
準備は始まっていくのだと思います。

私自身も、10年前に
未来の自分を想像して走り始めました。
当時は、ただ健康のために始めたランニングでした。

けれど続けていくうちに、少しずつ景色が変わりました。
今ではマラソンでトップ3%を目指す挑戦をしています。

未来は、突然変わるものではありません。
ほんの少し想像したことが、
その人の行動を変え、
具現化していくのだと勝手に思っています。

もしよかったら、一度だけ考えてみてください。

10年後の自分は、どんな毎日を過ごしていたいでしょうか。

人それぞれ違う未来。
その未来を思い浮かべることは、
今日からの10年を
「安心して歩くために過ごすための時間」
なのかもしれません。

この記事を書いた人

コラン相続コンサルタント事務所 坂本俊一