こんなところに見落としが

半年前から関わらせていただいた事案がまもなく終わりを向かいます。
今回は相続財産総額を確定するために税理士の先生にお願いをしていました。
相続財産を調査するにあたって、
不動産は固定資産税納付書の内容で確認する方法が1つです。
これで全部だねと思っていたら・・・

ここで出てくる固定資産税納税書の
内容は課税されている不動産なので、
非課税の不動産は表記されていません。

年に1回通知が来るから、
不動産はこれだけと認識している方
多いのでないでしょうか。

お墓も不動産

市役所で名寄帳という「その人が所有をしている不動産の一覧表」があります。
財産を確認するときは、この名寄帳も併せて取得するのですが、
そこに出てくる不動産でお墓があります。

名寄帳を窓口に依頼するとき、被相続人で調べてもらうとき
その人の名義になっていれば、1つの名寄帳から確認はできますが、
もし名義の変更がなされていない時は、「◯◯◯◯ 他相続人」として
別ものとして出てくるケースがあります。

今回お墓の話から判明したことは、お墓の名義が祖父になっていました。
昭和22年以前に祖父の相続発生であれば家督相続となり、
全て長男へという相続がされておることが多いのですが、
今回は昭和後半で相続発生です。
名義を変えるときは遺産分割協議書が必要とされ、
法定相続人である関係者との関わりが必要となります。

名義を変えずにこのまましておいてたらどうなるか?

皆さんもご存知の通り、所有される不動産は令和6年4月から相続登記の義務化となりました。

これまでなぜ
名義変更されずにいたのか?
様々な理由はあるかと思いますが変更されていないことが問題でなくて、
今後このままにしておいたらどうなるか?です。

「何もしなかったら」これに関わる関係者が増える一方です。
不動産の名義が祖父のままだったら、
祖父の相続人全員のハンコが必要となります。

もし祖父の子にあたるおじさんおばさんが既に亡くなられていると、
その奥さんや、子供たちのハンコが必要です。

もし祖父の名義を変更するとしたら、
皆さんの場合何人の方のハンコが必要となりますか?

例えば、父の兄弟は何人いますか?従兄弟は何人いますか?

5人以上のハンコがいる家庭は・・・

いかがでしょうか?
「数えてみたら10人以上になりそう」
もしそうであったら・・・

これからの生活が変わるわけでもなく、
非課税の不動産なので税金を払うこともなく、何も不便がない日常です。

だからと言って、
このままにしておいて
親戚の相続が発生して
いざ名義の変更が必要となったときに

膨大な時間とお金がかかる可能性」

が高くなるかと思います。
5人以内なら、
声を掛け合って代表の一人が動いてくれて完結できるかもしれません
一手間ですが・・・

しかしながら、これは5人であればです。

それ以上で世帯の数が複数になると
一人でやるとめちゃくちゃ大変です。
こんなに手間かけても、それに対して対価もないわけです。
誰もがこんなことはしたくないはず。

「とは言ってもね」と言われるかもしれませんが

こう考えてみてはいかがでしょうか
私から言えることは
「こんな手間のかかることを残されたからと言っても過去には巻き戻しができません。この巻き戻しできないことを未来、後世に残すかどうかです。」

まだ見ない孫世代かもしれません。
その時代もどうなっているかわかりません。
でもその未来に向けて道標は作れるし、
選択肢も残すことはできる。

いざという時が、
自分の子供たちなのか、
もしかするとまだ見ぬ孫世代の話なのか?

この先の世代に、「こんな大変な事は残しておけない」と思うと、自分たちの代で何とかできればいいなと思います。

変えれること、変えれないこと?
そのメリットデメリット?
これからの見方、捉え方の話し合い

「うちもそうだわ」と気付かれたら
少しでも進めてみてはいかがでしょうか?

私の事務所でも相続相談を承っております。

相談してみたい方 こちらへどうぞ


「わかっていても、何もしなかった」ことのないように。

この記事を書いた人

コラン相続コンサルタント事務所 坂本俊一