デジタル資産と相続 ~カードから始まる安心相続~

「カードが増えすぎて、もう何が何だか分からなくなっちゃって。それに、最近は明細も紙じゃなくてWEBに変わってきて、私たちにはちょっと難しくて」
そんな70代のご夫婦のお話です。
今まで普通に使えていたものが、
一気に管理が難しくなったそうです。やってみたけど途中で挫折してしまい、
結局そのまま放置・・・

この状況が、もし相続のタイミングで
発生したらどうなるでしょうか?

今回は、デジタル資産を整理して
相続の安心をつくる方法をお話しします。

見えない資産が、見えない負担になる

この話題からカードの事を
詳しくお話を伺うと、
なんとお持ちのカードは20枚以上! 「このお店、年に一度くらいしか行かないのにカードを作ったのよね」
「年会費?知らないうちに払ってたなんて」
最近では明細書の郵送が有料化され、
WEB明細への切り替えを案内する
カード会社が増えていますが、
設定が難しくて諦めてしまう方も
多いのが現実です。

ご本人たちは
「特に不便を感じているわけじゃない」
とおっしゃっていましたが、
少しずつ気になることも出てきたそうです。

「簡単にできるって書いてあるんだけど、実際にはうまくいかなくて・・・若い人ならすぐできるんだろうけど、私たちにはちょっとね。」

「デジタル」は便利な一方で、こんなところに負担になる落とし穴があると感じた一件でした。

相続のとき、カード整理が家族の助けに

もしこのままカードが整理されないままだったら…。
「いつか」の時を迎えたとき、
残されたご家族は負担はどうなるのでしょう?

相続の場面では、これらのカードを
1枚ずつ調べる必要があります。

  • 年会費が発生しているカードは、
    解約しない限り費用がかかり続けます。
  • WEB版の明細を利用している場合、ログイン情報が分からなければ、利用状況の確認すらできません。
  • 解約手続きにはカード会社ごとに
    必要で、思っている以上に手間がかかるのです。

これでは、家族にとって大きな負担になってしまいます。

カード整理は、今だからできる未来の準備

そんな状況を避けるためにも、
このご夫婦と一緒にカード整理を始めました。

  1. 全てのカードをテーブルに並べる
    引き出しや財布に散らばっているカードをテーブルに並べ、「使っている」「使っていない」に分けます。目で確認すると、どのカードが不要なのかが分かりやすくなります。
  2. 不要なカードを解約する
    年に1回しか使わないお店のカードや、知らないうちに年会費が発生していたカードを優先的に解約する候補に上げる。
  3. ログイン情報をノートに整理
    ご夫婦でも簡単に確認できるよう、カード名とログイン情報をノートやファイルにまとめます。大切な情報なので、保管場所を家族と共有することも大事です。

ご主人は、「こんなにたくさんあったなんて・・・。これでスッキリしたな」とほっとした表情を浮かべていました。

年末年始、家族で話し合うきっかけに

クレジットカードだけでなく、銀行口座や証券口座もデジタル化が進んでいます。これらの「見えない資産」を整理することは、相続の対策として大切な準備になります。
年末年始は家族が集まる貴重な時間です。このタイミングを活かして、親御さんのデジタル資産について話し合ってみませんか?

例えばこんな一言から
「このカード、最近使っている?」
「何か困っていることがあったら教えてね」

話し合いを始めるときは、
「無理に話を進めないこと」もポイントですが、こうした小さな一言から、もうそろそろ考えていきたい相続の一歩につながることもあります。

両親が「縁起でもない」と言われ、
話も聞いてくれないご家族

両親とは別々で住まいがあって、
そろそろ気になってきた両親の事

もし
「何から始めたら良いか分からない」 「うちの親と一緒に整理してもらえませんか?」
という方、ぜひお気軽にご相談ください。

コラン相続コンサルタント事務所では、カード整理やデジタル資産の管理を通じて、安心相続のお手伝いをしています。

この記事を書いた人

コラン相続コンサルタント事務所 坂本俊一